移住の候補先は沢山ですが、47都道府県それぞれの特徴を調べつくすのは至難の業ですよね。市町村も含めたら「良さを知らないままの場所」があるのも仕方がない。それでも…
「まだ自分が知らない魅力的な自治体を知りたい」
「自身の生活の優先順位と特徴がマッチする自治体が見つかるまで、探すのは諦めない!」
そんな方のために、ケンジンがおすすめ自治体をピックアップして、その魅力をお伝えします。
今回紹介するのは秋田県秋田市。実は住みやすい「穴場」である秋田市がいま「教育先進地」として全国から注目されているのをご存じでしょうか?教育にフォーカスをあてたこの記事は、お子さんをお持ちのご家族で「子どもの教育が優先」「移住したいけれど、子どもの教育に制限がでないかが気になる」というかたにおすすめです。
それではまず、秋田県および秋田市がどんなところか、そしてどういった「移住者のための制度」があるのかをみていきましょう。
「きりたんぽ」や「なまはげ」、「秋田犬」などが有名な秋田県。日本最大の原生のブナ林が世界自然遺産に登録されている「白神山地」が、隣接している青森県との間にまたがります。県の西側は日本海に面していて、緑と水に囲まれ自然豊か。県東部に位置する「乳頭温泉郷」は、秘湯として知られ全国から温泉好きが訪れるなど、秋田県には人気スポットも多数あります。
そんな秋田県の沿岸中部に位置するのが秋田市。人口約31万人の県庁所在地です。秋田空港があり、東京の羽田空港から直行便のフライトで所要時間は1時間5分ほど、その他大阪、名古屋、札幌へのフライトもあります。加えて秋田新幹線、フェリーや高速バスなど、アクセスの手段が多く便利です。
その他秋田市の見どころは毎年8月に催される「秋田竿燈まつり」。青森のねぶた祭り、仙台の七夕まつりと並んで「東北三大祭り」のひとつに数えられ、130万人を超える来場者数を誇ります。(2020年と2021年は中止)
秋田市は、県外から同市への移住を考えている方々を対象に「移住相談ツアー」を提供しています。「移住してきたらどのような生活になるか」を前もって体験できる、移住検討者にとっては貴重な制度です。令和4年時点で、下記2種類の移住相談ツアーが実施されています。
1. オンライン移住相談ツアー
2. “あなた仕立て”移住体験
オンライン移住相談ツアーの内容は、事前に不動産業者と調整済みの物件の内覧、学校や保育所の見学、通学路や住宅の周辺環境の確認など。希望日の30日前までに申し込みが必要です。
“あなた仕立て”移住体験は、実際に秋田市に出向く1泊2日のオーダーメイドのツアー。希望によって子育て交流広場、保育所や学校、図書館や公園などの子育てにかかわる施設を含め見学が可能です。また、1世帯で最高5万円の補助もあるので、遠方からでも予算の心配をせずに訪問できます。ツアーへ参加希望の場合は以下の条件があるのでご注意ください。
・移住相談八重洲センターへの事前相談
・ツアー実施希望日の30日前までの申し込み
・審査の通過
応募条件など詳細はこちらでご確認ください:秋田市公式サイト 移住相談ツアー
移住相談のみならず、秋田市はその充実した補助金も魅力の一つです。例えば「子育て世帯移住促進事業補助金」として下記の補助があります。
・住宅の新築、購入の費用 – 100万円補助
・住宅の賃貸借契約の費用 – 20万円補助
・引っ越しなど転居にかかる費用 – 20万円補助
上記すべて、18歳未満の子1人につき10万円の加算あり(ひとり親の場合は15万円)。ただし、秋田市に転入前に申請が必要になるので注意が必要です。
応募条件など詳細はこちらでご確認ください:秋田市公式サイト 子育て世帯移住促進事業補助金
全国から教育関係者が視察に訪れるという秋田県。その中でも秋田市の教育について一体なにが「凄い」のか、見ていきましょう。
秋田市が掲げる教育理念は「徳・知・体の調和のとれた子をはぐくむ」ことで、このビジョンのもとに教育を充実させ、学びにおいて人間性や主体性を大事にしています。一般的には「知」が最初に掲げられますが、秋田市は「徳」を最初に掲げ「豊かな人間性の育成」を大事にしています。また、主体性を育むため、スピーチやディスカッションが積極的に取り入れられ、相互評価が可能な学習も盛んです。
また秋田県全体での取り組みとして少人数学級制を全国と比べて早期から導入、こども1人1人を丁寧にみられるように取り組んでいます。
秋田市教育委員会は毎年、市内の小中学校、児童自立施設内学校、私立高校、専修高校をそれぞれ一日かけて授業の視察をし、質の向上のための指導を行っています。また教職員研修は68講座あり、小中学校のすべての職員が参加する研修では、団塊の世代の大量退職に備えて「経験の伝達」を意識的に行っています。
小学校と中学校で行われる「学力学習状況調査」は、国のもの、秋田県のもの、そして秋田市のものと合計3種類があり、細かく学習状況が把握できるようになっています。その結果に応じて「求められているものなにか」「どうやって改善できるか」という視点で対策が講じられています。
2019年度の「学力学習状況調査」では、秋田県は小学生の国語が全国1位、算数が全国2位。そして中学生は国語が全国1位、算数が全国2位の好成績でした。
秋田空港から5分ほどの静かなエリアにある、教員1人に学生14名という少人数制の国際教養大学には「国際教養」の1学部のみがあります。講義はすべて英語で行われ、1年の海外留学が卒業の条件。講義は一方的に話を聞くだけ、という日本の典型的な「受け身」なスタイルではなく、ディベートが行われ、積極的な参加が成績に反映されます。もちろん、講師だけではなく、生徒も英語での発言が求められます。
24時間365日開いているという大学の図書館もあり、国際教養大学では「グローバルエリート」を育てるためのはこれ以上ない、という環境が整っています。そのため、秋田市という立地にもかかわらず全国から願書が集まり倍率は10倍超え。
企業からの人気も高く、トヨタ自動車や、伊藤忠商事などの有名企業に就職する学生が多数います。2018年の卒業生200名のもとには、会社説明会に180を超える企業が参加。またオックスフォード大学大学院など「世界の名門大学院」に進む卒業生も多くいます。
今回は、秋田県秋田市の魅力を教育メインにお伝えしました。自然豊富、交通アクセスがよく、移住のサポートや補助金も多い秋田市は、教育の充実度をあわせると非常に魅力的な場所ではないでしょうか。
この記事で少しでの多くの人に秋田市移住のメリットがお伝えできれば幸いです。